グッドスマイル 通信
隣接面う蝕
2014/04/13
「奥歯の歯と歯の間は虫歯になりやすいといわれましたが?」
リンセツメンウショクと読みます。"隣接"という字から想像がつくかもしれませんが、歯と歯の間の虫歯のことです。3歳を過ぎたあたりから気をつけなければならない虫歯です。
家で保護者の方が見て見つかる時は歯に穴があいて気付く時がほとんどです。

「急に穴があいたので連れて来ました」と言われることがよくありますが、穴があくまでには虫歯になり始めてから数ヶ月間かかります。
虫歯が進行すると、穴はあいていなくても歯の色の変化でその存在がわかる場合もあります。治療の必要はあるが、穴も色の変化もない虫歯を見つけるために役立つのがX線写真です。見た目はきれいで「念のため撮ってみましょう」と思ったところが、上下左右の奥歯の隣接面に虫歯が見つかることも少なくありません。
[ X線写真 ]丸で囲んだ部分が虫歯です
お口の中で見ると間が一部少し白っぽくなっていますが、ほとんどわかりません。
削ってみると茶色い虫歯が広範囲に広がっています。
- 当院では4ヶ月毎の検診をおすすめしていますが、隣接面のX線写真は検診2回に1回撮っています。
- 学校検診で1本虫歯が見つかり、受診してX線写真を撮ったら、上下左右奥歯の間の虫歯が合計8本見つかったというケースも少なくありません。
- 5歳以上でまだX線写真を撮ったことがない人、前に撮ってから1年以上経っている人は、検診に加えてX線写真での虫歯チェックをおすすめします。
エナメル質形成不全
2014/02/21
「生えたばかりの歯なのにすぐに茶色い虫歯になることもあるんですか?」
卒乳が遅れたり、哺乳ビンでイオン飲料を飲ませ続けたりすると、下の写真のように生えたばかりの上の前歯が虫歯になることがあります。

上記のようなこともなく、ブラッシングも頑張ってきたのに歯が茶色くなっているのに気付いた場合は、虫歯ではなく「エナメル質形成不全」の場合があります。乳歯でも永久歯でも、前歯でも奥歯でも、歯の表面にはどこにでも現れる可能性があります。
程度も様々で色だけ茶色くなっている場合もありますし、表面が凸凹している場合もあり、その凸凹具合も様々です。歯質は健全なエナメル質に比べると弱く虫歯になりやすいです。凸凹が大きいと虫歯になるリスクはさらに高くなります。




形成不全の程度によりますが、虫歯にしないポイントは
- 形成不全の有無、あるとしたら場所はどこかを知っておく(例えば、左上の奥歯のほっぺた側、右下の奥歯の咬む面の一部など) 知っているのと知らないのでは大違いです!
- 形成不全部のブラッシングはより丁寧に!
- フッ素を利用して歯質を強化する
もちろん定期的なチェックは欠かせません。形成不全はエナメル質が十分な強さを持たないまま生えてきたものです。適切な手入れをすれば、お口の中でだんだん表面が強くなってきます。
生えてきてから1~2年が非常に大事です。形成不全は6才臼歯でよく出現します。「あ、奥から生えてきた」と気付いたら形成不全がないかどうか見てあげて下さいね。「早期発見と対策」が重要です。