「時々気になります。虫歯もないようですが・・?」
口臭は何が原因で起こるのでしょう。口の中には健康な状態でも細菌が常に存在しています。これらは口の中の食べ物のカスなどに含まれるタンパク質を分解します。その時に発生する臭気成分が口臭の原因となるのです。この細菌は、起床直後や長時間の緊張、空腹、疲労時などに唾液の分泌が少なくなると、口の中を洗浄、殺菌する働きが弱まるため増殖します。これは生理的口臭と呼ばれていて誰にでもよくあることです。
ひどい虫歯がある場合はまず治療ですが、そうでない場合、お子さんの口臭は口呼吸によるお口の乾燥が原因の生理的口臭が考えられます。鼻炎やアデノイド、扁桃腺肥大などで鼻呼吸ができない場合、口で呼吸をするようになります。そのため、お口をあけたままいびきをかいて寝ているお子さんが、起きて「ママー」と近づいた時に口臭がするのはよくあることといえます。呼吸は口より鼻で行う方が望ましいので、口臭の有無にかかわらず口呼吸をしているお子さんは、一度耳鼻科へ相談されてみることをおすすめします。
また、舌の表面の古い細胞や食べ物のカスが溜まったものが口臭の原因となる場合があります。これを舌苔(ぜったい)といい、成分の多くがタンパク質なので細菌が分解すると臭気成分が発生します。舌苔もお口の乾燥でつきやすくなり、舌苔がつくと舌が白っぽくなります。成人の場合は舌ブラシなどもありますが、お子さんの場合は舌を傷つけてしまうことがあります。口臭が気になる場合にはやわらかめの歯ブラシやガーゼを使い、そっとやさしくふきとってみてください。力を入れ過ぎないように注意してくださいね。